ふりかえり1

10日
夕方、出張から帰宅後、即出発。
大阪には11時過ぎに到着。
その後、ネットカフェで一夜を明かす。


11日
7時起床。
付近のスーパー銭湯っぽいところで斎戒沐浴。
なんばから南海で移動。
電車の中では目的地を同じくする人たちを何人か見かける。
中には遍路なめとんかって格好の人たちも。
そんな甘い心がけじゃね、痛い目にあいますよと心の中で警告。
九度山駅で下車し、そっからは歩く。
まずは真田幸村が蟄居していたという真田庵へ。
案の定、歴男・歴女っぽい方がちらほら。ある意味自分もやけど。
軽く散策して、スタート地点である慈尊院へ。


待ち受けたのは長い階段。



しかし四国を制した自分にはなんら恐れることではない。
こんなことは想定内のこと。


「寺は深い山の中、長い階段の上にあるからこそありがたい」


これが遍路で学んだこと。
高野山でも例外なくそうなってるんだな。
そうそう、こうでなくちゃ張り合いがないってもんよ。
テンポよく階段をのぼり、本堂にて旅の無事を祈願。


その後延々と山の中を行く。


このとき、自分は四国では経験のなかった困難を経験する。


それはね、「のどの渇き」。


歩き始めて30分で水が尽きる。
でも、どこにも水飲み場や自販機がないのよ。
四国なら道路沿いの自販機やコンビニで手軽に入手できてたから、これは計算外やった。
そっからは地獄。
水が尽きてから2時間半ほど水分補給できないまま、脱水症状との恐怖と闘いながら山道を進むことに。
午後1時半、ようやく自販機発見、水購入。


ああ、うまい。ありがたい。
生きていることを実感。


次にいつ自販機があるかわからんと思い、2本購入して出発。
結局その後高野山にたどり着くまでに自販機は1か所のみ。
全行程約20キロのうちの2か所ってことを考えると、これは恐ろしいことですよ。


水の大切さをかみしめつつ、ずんずん進む。
だいたいひたすら山の中で、両サイドとも杉林。景色はあまり見えんかったね。
ライトもないけん、日没が怖かった。


ラスト1キロを切ったあたり。
最後にすさまじい上り坂と急な階段が待ってた。
これも想定内。
あと少しってところで過酷なコースを用意するってのは弘法様の常とう手段。
こっちは何度も四国で経験済み。
最期の試練。いわばラスボス。
まともに足が上がる状態じゃなかったけど、最後は気力で登りきる。
体ボロボロ、のどカラカラのコンディション。
四国を制したプライドだけやったね、原動力は。


やけんね、登りきったときに目の前に現れた大門を見たときは、すごい感動したね。
なんとありがたいって。


続きは後日。